ヤンメイ妻は写真大好きです。元々、中国人の写真にかける熱意は並々ならぬものがありますが、そんな中国人の中でも妻の写真へのこだわりは相当なものです。
それとは逆に、ヤンメイはあまり写真撮影に熱心な方ではありませんでした。むしろ、シャッターを切ることばかりに関心がいって、自分の目で見る事がおろそかになるのは論外。そんな考えを持っていました。
この方が言われている意見とほぼ同じ考えだった訳です。まぁ、ヤンメイ自身はフィルムカメラの頃からこうした考えで、どこかにアップして誰かに見てもらう、とか想定外の時代の発想ではありましたが。
そう、過去形です。
今は以前よりかなり写真肯定派です。現在はむしろ写真はしっかり撮るべし、と思っています。今回は、こんな宗旨替えに至った経験のお話。
中国人妻はガイド無用
7年前、新婚旅行で海外に行きました。2人で出かける初めての海外旅行でした(中国を除く)。今よりお金もなかったし、言葉も含めて不案内な土地なので、安いパッケージツアーだったのですが。
現地で日本語の堪能なガイドさんが付き、博物館や遺跡など名所旧跡を色々案内してくれました。ですが、妻は解説などほとんど聞かずに写真を撮りまくりです。
慣れないうちは違和感ありましたね〜、これ。日本人的にはガイドさん無視とかないじゃないですか。ここがどんな場所かという由来とか歴史とか、あまり気にしない。これは!と思ったモノをひたすらカメラに収めていく。新婚旅行ではありますが、そんな妻の姿にちょっと冷めたものを感じました。
結構いいガイドさんで。色々面白いことを教えてくれるんですよね。訪問先の主要産物の世界ランキングとか、歴史的な日本との関わりとか。社会の授業のようで、面白かったんです。妻以外は日本人でしたので、皆でメモとか取りながら、ふんふんと頷いていました。
心のキャンバスは真っ白?
ですがですが。2、3年経って、妻の写真を見る機会がありました。いや正確には旅の最中とか直後に見てるはずなんですけど。妻は大量に写真を撮るので、時々一気に整理するんですよ。
その際に蘇る旅の光景。
あんな景色だったっけ?
こんなもの見たっけ?
なんか、自分の旅の記録なのに、すっごい新鮮でした!妻の視点から切り取られ景色だ、というのもあるのかも知れませんが。
後で「ああ、あの写真撮ればよかった!」と思ったことは一度もありません。むしろ、写真を撮らないことで目の前の景色、出来事がより鮮明に脳裏に刻まれるようになりました。
上記ブログより
すげぇな、この人!
少なくとも、写真に撮らなかったことで、鮮明に脳裏に刻まれることはありませんでした、ヤンメイの場合。というか、記憶に残らないから、後悔することもないのでは!?
むしろ、記憶力の悪さを痛感しましたね。ガイドさんに教わった数字とか、ほとんど何も覚えちゃいなかったです。辛うじて、主要産物が何か覚えているくらい。現地語の挨拶も全然思い出せない。
もちろん、行った記憶や楽しんだ思い出自体はあるんですけど。景色のディテールなんかはキレイに抜け落ちてました。もう、記憶障害か!?ってくらい。
結論を言うと、ガイドさんの話をあまり聞かずに写真を撮っていた妻の行動が、旅の思い出を気付かない部分まではっきりと残していた。当時、熱心に話を聞いていたヤンメイの記憶は、風化して残っちゃいなかった。ということです。
これでいいのだ
もちろん、他人の話を聞かないって人としてどう?とか、集団行動が守れないのは問題、とか意見はありそうですが。
ガイドさんって、何のためにいるかを考えると、そもそも旅を充実させるお手伝いをしてくれる存在です。説明を聞くことが旅行者の目的に適っていないなら、聞かなくてもいいんじゃない?と現在のヤンメイは思います。ガイドさんも、話を聞かないなんて珍しい日本人だな、と思うだけでしょう。
集団行動にしたって、最終的にバスの集合時間に遅れたりって、むしろ日本人のオバちゃん達とかで、妻はそういうのきっちりでしたから。許容範囲での行動かと。
だって、そうやって真面目に聞いてはいたけど、頭には一片も残っちゃいなかった事実は重いです。真面目に聞いている私に自己満足?聞くこと自体に意義がある?
なんか違うなぁ、と思っちゃって。
とにかく、そういう経緯を経て、
心のキャンパスは役立たず
思い出は記憶にとどまらない
きっちり写真で記録しよう!
と考えるようになりました。
子供のつかまり立ちの頃とかの動画もねぇ。結構記憶が薄れてて、見返すとビックリです。撮影していて良かったなぁ、と思います。
記憶の要点
ちなみに、昔の事をよく覚えている人、記憶力のいい人は、過ぎたコトをくよくよ考える、粘着質の人が多い、と何かで読んだ覚えがあります。
記憶の定着には反すうが大事ですからね。何度もくよくよ思い返す、という行為が記憶を鮮明にするって、なんか納得。確かにヤンメイ、過ぎたことは一切振り返らないので、昔の記憶が本当にありません。まぁ、ストレスもありませんけど。
実は、妻の方がよっぽど色々考えていて大変そう。せめて、写真を撮ったら記憶はそっちに任せて、溜め込まずに過ごして欲しいものです。
そんな、写真と思い出のお話でした。