いよいよワールドカップ決勝トーナメント、ベルギー戦だというのに周回遅れの記事で恐縮ですが。
一次リーグ第3戦のポーランド戦で、西野ジャパンの終盤10分の戦い方に賛否があったようですね。〝ようですね〟というのは、ヤンメイの周囲には妻も含めて否定的な意見があまりいないから。そう、ヤンメイ周囲では、西野監督の戦術は〝あり〟だと受け取られています。
これはヤンメイ周囲が特殊なのか、言われているほど世間は叩いてないのか。今回は、目的に対するアプローチの仕方について、彼我の考え方の差をはっきりさせるお話。
西野ジャパンの戦術
前もって言っておくと、これはサッカーの話ではありません。サッカーに関して、ヤンメイは完全に素人です。普段ボールは蹴らないし、日本代表は90年代から応援はしてますが、Jリーグの観戦歴はなし。こんな奴がサッカー論を語るわけがありません。ましてや外国人ながら日本代表を応援するヤンメイ妻はもっと関係ないです。
単純に「ワールドカップ予選を突破し、本選に出場するという目的のために、西野監督のとった戦術はありかなしか」というお話をします。
軽く状況確認。試合終盤、日本は負けていたが、先制したコロンビアが逃げ切れば、フェアプレーポイントの差で本選に進めることが決まっていた。イエローカードや失点のリスクなく本選出場を決めるため、日本はボール回しをして時間を稼ぐことを選び、ポーランドも全敗を避けるためか深追いはせず試合は終了。この時間稼ぎをどう捉えるか、というのが問題になったというのですが。
中国人妻の視点
ヤンメイ妻からすればこれば全然オッケーでした。なんで批判が出るのか分からないくらい、なんの問題もない、という判定です。
なぜなのか?
まぁ、ほぼほぼ既出の肯定論と同じですが。
目的は本選出場
ワールドカップに出る国はどこも、まずは予選リーグ突破を目指します。負けてもいいから良い試合を、みたくいう国はまずありません。
その目的を考えた時、可能性の高い方を選んで何が悪いのか?ということです。良い戦いをして負けるくらいなら、キレイな方法ではなくても勝ちにこだわる指揮官こそを評価したい、とのこと。
次の試合に出られる
負けたら次はない。作戦勝ちしたからこそ次の経験が出来る。どんな形であれ、ベスト16に進出できるチームは世界にたった16チームです。それもチャンスは4年に1回。負ける経験はこれまでにもたくさんしているし、ステージを進めて見られる景色、経験は貴重な歴史だ、と妻は考えるようです。
確かに、メンバー選出についても若手に経験を積ませろ論もたくさんありましたからね。(ヤンメイもそう思ってました)
経験というのなら決勝トーナメントはこれ以上ない舞台です。日本よりもっと上手い、もっと強い国だってたどり着けないんですから。手を伸ばせば届くなら、ためらわずやるべきだと。
ルールを守っている
さらに言えば、ルール内の合法的な選択です。文句を言う筋合いは全然ないでしょう?と。
確かにね。ルールは時々で変わりますから。合法なうちにやっちゃって何が悪いのか?と。むしろ、好都合なルールがある時、絶妙のタイミングで来たチャンスを巧く使った!と褒めるべきじゃないか、とまで言います。
三十六計にもある
孫子だってね、ヤバい時は逃げろと言っているよ。逃げるのも策である、と。
サムライとか言っても腹切って全滅してる場合じゃないのよ。
いや、ほんとこれ。勝てば官軍とはよく言ったものです。
ヤンメイの視点
ヤンメイ、妻の意見にほぼ同意します。自分が会場の観客だったら、「ふざけんな!金返せ!」とか「あ〜あ、日本戦なんかハズレ引いたわ」とか言ってたかも知れませんが。一日本人としては、日本チームに貴重なチャンスをくれてありがとう!と監督の英断を支持します。
専門家の目から見ればこのようにかなり危ない試合展開だったようで。勝負に出て全部失うなら、今できることで最大の成果を!って決断もかなりサムライでは?
ここで否定的な意見を言う人って、ボクシングの観客にいそうだな、って思います。世界戦で判定逃切り戦術とか、やたらとクリンチとか、ヒットアンドアウェイでアウトボクシングに徹するとか。そういう場面で「男らしくガンガン打ち合わんかい!こんなしょっぱい試合観に来たんじゃないんじゃ!」とか言う人のイメージです。
そりゃね。普通に打ち合って勝てればそうしたいだろうけど。そこまで強くないとか、そういう接近戦タイプじゃないとか事情があったら。プロは魅せてなんぼ、とは言うけれど、まずは勝ちに行くんじゃないですか?
そこで「爽快感が欲しい」とか「ガチンコの打ち合いが見たい」という希望はなかなか通らないかと。そういうのは、そういうタイプの選手に期待すべきです。
意見は属性で変わるのか?
で、面白いなぁ、と思うのは。ヤンメイの周囲にはこの西野戦術を否定する人は少数派なんですよ。
まず女性は皆、肯定派。
男性もほぼ肯定派。ごく一部に「負けてもいいから積極的に攻めて欲しかった」「ああいう戦い方は恥ずかしい」という人が。
これね、ごくごく狭いサンプルなんですが、肯定派は自営業者とか社長とかで、否定派はサラリーマンなんですよ。
なんとなく思うのは、自らの決断で失敗するリスクが大きい人は、西野戦術を肯定するのでは?
社長、失敗出来ないよね。小規模経営者は失敗するとダメージ半端ないです。そんな人達は「安全策いいね!ウェルカム!」な訳ですよ。
女性もほぼリアリストだからやっぱり肯定。
サラリーマンだって失敗はまずいけど、残機ゼロのギリギリの緊張感まではいかないのかな。まだ美学とかを選ぶ余裕がある、と言えるのかも。
そうした点では、起業家気質の中国人は、議論の余地もなく西野応援派になるのかな?と思います。現にヤンメイ妻はそうですし。
いや、なんとなくサッカーの見方で感じた人の立ち位置の違いのお話でした。さぁ、日本頑張れ!