はい、警告!ネタばらしがありますからね。【ネタバレ】します。
先日、5歳の娘を連れてプリキュアの映画を観てきました。親子でこの春からプリキュアを見始めた初心者なので、当然映画も初めて!親になると意外な初めてが色々起こりますね。
どんな層の方が読んで下さるのか見当も付きませんが、子供の反応も含めて面白かったので、映画プリキュアミラクルユニバースを鑑賞しての感想をつらつら書いていきます。
今回は、子供に人気のプリキュアを観た大人の視点のお話。
映画は映画館で!
なんかねぇ、もう幼稚園のお友達が公開初日に行くらしく、ヤン娘も行きたくてしょうがないんですよ、映画プリキュア。一日遅れで行ってきました!
あらかじめネット予約で席も取っておき、朝9時からの回に臨みました。30分前(つまり朝8時半)には劇場に着いたのですが、チケット売り場は長蛇の列で10分近く並ぶことに。読み取り機も不慣れな人が並んでるのか、無人の読取機も有人の購入カウンターもスピードは大差ありません。日曜の朝からなかなか映画界も盛況ですね。
特にプリキュア、老人が連れて来てるケースもありますが、父親連れが結構多かった印象。ママはお買物なのかお家でゆっくりなのか。いや、ヤンメイ家もそのパターンです。
ざざっと物販をチェックしてからゲートをくぐると、子供は「ミラクルライト」と呼ばれる小型のペンライトを貰えます。ははぁ、多分これ、劇中でプリキュアを応援するのに使うヤツだな?(しまじろうで経験済)
席はI-10、11。スクリーンとの距離が前後、左右とも良かったので記録しておきます。
子供の頃、映画館に行くってすっごく上がるイベントで。大画面で観た作品って、内容はともかく行ったこと自体はすご〜く印象深く記憶に残ってるので。子供も極力連れて行ってあげたいんですよね、映画館。
プリキュアミラクルユニバースの感想
あらすじ
ストーリーは簡単。
宇宙で唯一、ミラクルライトを作っている惑星で。見習い職人のピトンが嫌々下積みの流れ作業をしていたところ、工房に突如異変が。ライン上のミラクルライトを始め、在庫(?)のミラクルライトまでが次々にスライム状の物体に侵され、作業員や周囲の人々も次々に闇に捕らえられていきます。
ただ1人、自作のミラクルライトを持って宇宙に逃げ出したピトンは、そのライトの力でか、スター☆トゥインクルプリキュア(現役)、Hugっと!プリキュア、キラキラ☆プリキュアアラモードの3プリキュアの引寄せ(召喚?)に成功。
事情は分からないながらも、ただならぬ悪の気配(笑)に変身して共闘するプリキュア達。しかし、ルーキーであるスター☆トゥインクルプリキュアの突出した行動がきっかけで、よもやの敗北。プリキュア達はバラバラにシャッフルされて各地にふっ飛ばされてしまいます。
あとは観てのお楽しみというか、書くのが面倒というか…。まぁ、あまり内容はないです。再集結するうちに、現役達が先輩プリキュアから色々と学んだり、思いやりの気持ちの大切さに気付いたり。途中、宇宙警備隊の誤解でプリキュア達は捕らえられてしまうのですが、最後は地上の人々や歴代プリキュアの応援の力を得て、強大な敵、宇宙大魔王にうち勝つ、という大団円。
子供的には大興奮で、楽しんでミラクルライトを振り、帰ってからもずーっと喜んでいるので、子供映画としては成功、良作なのだと思います。
大人目線で見たストーリー
映画プリキュア初体験の大人からすると、なかなかチャレンジングな作品の印象でした。
何しろ最初、何者が敵なのか?目的が何なのか?が全然分かりません。上記のように、スライム的な闇がどんどん増殖して世界を飲み込んでいくだけなのです。
しかも、たまたま事件の発端の工場にいたピトンとそれを助けに現れたプリキュア達を、大統領は犯人と決め付け、宇宙警備隊を使って捕縛しようとします。
もう、ストーリー的には頭には?マーク、目は点です。
後半になり、どうやら犯人は宇宙大魔王だと分かり、ようやく戦うべき相手が見えてきて少しスッキリします。でも、謎を引っ張ることで世界観に引き込まれる構成かというと…。モヤモヤの方が勝る感じ。
とはいえ、勝った!終わった!!と思ってからの展開が逆転に次ぐ逆転で、いい感じの緊張感を引っ張って、ようやく勝利するので、達成感はあるのかな?
後半に向けてどんどん良くなる感じで、総合的には並の感動です。歴代プリキュアを見て来た人達ならもっと嬉しいのかも知れませんけどね。
大人目線の作品感想
映画プリキュア初体験の大人としては、上記ストーリー面以外に全然別の色々を考えてしまったので。そんなこともあれこれ。
リアルかっ!?
当初は敵も目的も分からない、と書きましたが。実際に事件に遭遇する側って、きっとこんな感じです。外の世界から神の視点で見れば、敵が誰か、目的は何か、って分かるはずですが。
本当なら事件が起きた時、当事者は訳も分からず巻き込まれていくんですよね。誰も説明や解説なんかしてくれないはず。時系列でことの起こりから知っているはずもない。
そう考えると、この説明不足感も凄いリアリティ、と言えなくもない。観客とプリキュアは同じ視線で事件を体験している、と言えます。
実際、子供はそれに対して不満を漏らしてませんし。これは大人に対する挑戦とも思えてきました。
少年ジャンプだな
いや、作中でね、なんかプリキュアの皆さんが次々と決め技を出すのですが。知らないなりにカタルシスがあります。気合いの掛け声と共に、キャラクターが技の名前を叫ぶと、なんかの打撃が飛んでいって敵がふっ飛ぶのです。
これを見て、ヤンメイが思い出したのは「聖闘士星矢」です。いや、「ドラゴンボール」でもいいんですけど。要は「必殺技名+敵の破壊」です。あれと同じ構図が女児向けのアニメで見られたのは驚きでした。
これ、女児にもウケるんかい!?
少年ジャンプとか書きましたけど、古くはゴレンジャーなどにも使われている様式なので、正しくヒーローの系譜だってことなのかな?今は、女児もヒーロー的肉弾戦が楽しいんですね。
ハァハァうるさい
いや、誤解のある表現ですが、その通りなのです。
正確に言うと
ハァッ!
とか
ハァ〜〜〜ッ!!
なんですが。
ほら、15人のプリキュアがそれぞれ必殺技を出す訳です。その都度、各人がこうした気合いの声を出すので、本当に劇場内はハァッ!ハァッ!ハァ〜〜ッ!!の声が重なりながら充満するんですよね。
う・る・さ・いっ !(笑)
いや、本当はうるさいというより面白いです。アテレコをしているスタジオの光景とか考えるともっと笑えませんか?
明確な敵は少ない
最後の方でやっとラスボス的な宇宙大魔王という悪者が出て来ます。ただ、それまでは基本的に闇(スライム?)に侵食されていくのを振り払う、逃げる的な要素が多いのです。戦ってはいるけど、明確な敵キャラではない。
あと、プリキュアを捕獲しようと宇宙警備隊という警察的な集団が出てくるのですが。これも目的は「捕まえる」ことであって、危害を加える訳ではないので、敵というよりは邪魔者です。
これって、敵をやっつけることを嫌う昨今の優しい風潮の表れなの?と勘ぐってしまいました。
いや、スター☆トゥインクルプリキュアでは普通に戦闘員の皆さんをなぎ倒してるので違うのか?初心者には分かりません。
余談ながら、宇宙警備隊の「無駄な変身はやめなさい!」というプリキュアへの警告が妙にウケました。
焦点の当て方が大変だ
スター☆トゥインクルプリキュア、2月に始まって先日で7話目。まだメンバーが出揃ってちょっとで、一番の新人はまだ2回しかプリキュアとしての戦闘を経験してないくらい初心者。観てる側もスゴくは感情移入出来ません。しかし、現役、制作サイドとしてはイチ押しなはずです。
一方、1年のシリーズを完走し、日曜の朝に会えなくなった旧プリキュア達。去年までの視聴者なら断然こっちの方が感情移入出来そうです。いや、単純にまた会えたら嬉しいでしょう、子供的には(大人も?)。
しかし、恐らく制作サイドはこれからのトゥインクルメンバーを応援して欲しいし、ストーリーも基本的には新プリキュアによりスポットが当たります。
この新プリキュアの推し具合と、旧プリキュアの見せ具合って、本当に難しそうだなぁ、と思いながら観ていました。
とはいえ、70分の尺な上にゲストキャラクターが話を引っ張るので、どのプリキュアもそれほど活躍出来る訳じゃありません。まぁ、キュアスター(現役)をとりあえず前面に出しました的な。
全方位に気を遣ったが故に薄い、というのが正直な印象です。
これが、これまでの映画プリキュアシリーズに共通する作風なのか、この作品のみの特徴なのかは知りませんが。これ以外に胸熱な作品があると信じたいです。
揃い踏みは正義!
とはいえ、過去50人を超えるメンバーを数えるプリキュアで、新しい3作品に的を絞った登場に文句はないんです。実はもっとフレーバー的というかモブ的にさらに過去のプリキュアもチラリと登場するんですが。
それは良いことだ、と声を大にしていいたい。
ヤンメイの少年時代もヒーロー揃い踏みは胸熱イベントでした。
ウルトラマンエースに他のウルトラ兄弟が出て来たのが記憶にある最古の勢ぞろいかと。以後も、タロウやレオにウルトラ兄弟として過去作品のウルトラマン達が登場すると、ひたすらアガりました!
もう、どうしていいか分からない興奮状態!!
それが子供にウケると分かったからか、その頃から仮面ライダーをはじめ、過去作品とのコラボがイベントとしては一般化していったのかな?近年は数十人勢揃いとか他作品同士のコラボとか、さらに何でもありな感じ。
とはいえ、少年ヤンメイは「いっぱいいるから薄い」とか「1人で十分強かったウルトラマンが束になっても負けるってなに?」とか余計なことは考えませんでしたからね。
ただただ、ひたすらに大好きなもの達の豪華な共演に喜び感動していました!
多分、今の子供達もヒーロー揃い踏みを喜ぶからこのスタイルが定着したのでしょう。つまり、子供映画的にはこれは正解なのです。
大人的には、その上でストーリーでも楽しませて欲しいですけどね。
大人はどう楽しむべきか?
ただね、子供映画あるあるだと思うのですが、大人は興味なくてただただ付き合いでそこにいる。そんな方もいると思います。
そんな大人はどうすればいいのか?
70分も「つまらないなぁ、何がいいか全然分からない」とか「うるさいなぁ、早く終わらないかな」と思いながら座っているのは苦痛でしょう。
ヤンメイは子供番組も楽しめてしまう方なのですが、あまり予備知識もない状態で行って感じた楽しさを最後にシェアしますね。
変身シーンに注目
実は、物語前半で早くもヤマ場が訪れます。召喚直後に現れた謎の闇を相手に、各プリキュア達が変身するのです。
これ、テレビでは結構尺を取って盛り上がるシーンです。スター☆トゥインクルプリキュアでは、ほぼ毎回、このシーンに90秒近い時間をかけている、イチオシの盛り上がる場面です。
仮面ライダーの昔から変身シーンは見せ場の1つですからね。歌舞伎で言えば、大見得をきる決めの名場面ですよ。
これが劇場の大画面、大音量で視界いっぱいに15人分続くので、なんかこれだけでお腹いっぱいになります。妙な満足感があります。
実際、不思議なことに、過去作のプリキュアの変身シーンで、キャラの名前も姿もまるで知らないのに、なんだか涙が出てきてしまいました。
感動しているのか?というと、そんなことないのですが、なんかジンワリ来てるんですよ。感情移入とかまるでないのに。
なんなんだろう?
頭おかしいのか?
とにかく不思議な体験でした。これ、ヤンメイだけなんでしょうか?洗脳されてる?
とにかく、延々と続く見せ場、ヤマ場をずっと見続けると、謎の感動がやって来るかも知れません。
子供に注目
とはいえ、それだけだとさすがにアニメ鑑賞自体が苦痛かも知れない人には救いがないので。
そんな時は王道ですけど、子供を見ましょう。スクリーンを一心に見つめる我が子に注目です。
すると、彼らはプリキュアのピンチには眉をしかめて心から心配し、変身シーンには目を輝かせて喜び、声援が必要だと言われれば懸命にミラクルライトを振って応援します。
いや、マジ可愛い!!
もうね、興味ない保護者はいっそ、ずっとスクリーンではなく子供の反応を見ていればいいです。それだけでストーリーが分かります。
多彩な表情に、日常以上に濃密な感情の揺れを発見出来るのは、劇場ならではの効果かと思います。
これ、あと5年したら多分楽しめません。共感力のハンパない幼少期ならでは反応を楽しんで下さい。きっと、イヤイヤ画面を見ているより100倍楽しいと思います。
以上。ついに映画プリキュアデビューを果たしたお父さんのたわごとでした。
ちなみにこの人数にカウントされたのですね。スゴい人気だなぁ。
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