いや、もうまんまなんですけど。
一応お断りしておくと、日本アゲ、日本スゲー系のお話じゃありませんからね。
はっきり言ってしまうと、日本ヒデーな話かな。人種という括りは的確なこともあるけど、雑だったりもするなぁ。
今回はそんな、日本人のカニの食べ方のお話。
豪華ママ友ランチ
ヤンメイ妻は来日16年目の外国人です。夫が日本人で日常のメイン言語は日本語なので、かなりの日本通と言えると思います。そんな彼女が幼稚園のママ友と一緒にランチに行ってビックリする経験をしてきました。
誘われて、東京駅近くで和食系のビュッフェ行きが急に決まったみたいです。ランチ¥3,000と聞くと、豪華だなっ!!と感じますけど、カニ込みのビュッフェですからね。カニ食べ放題付きでの値段ならむしろ安い方かな、場所を考えると。
LINEで山盛りのカニ写真が送られてきました。ママ友の手前、(気取って)がっつり食べられなかったんじゃないか?と返信したら、気にせず後悔なく食べてきた!と返ってきました。さすが我が妻!!
しかし、その「後悔なく」には違う意味も込められていたのでした…
最速のカニ喰い人
前提として断っておくと、ヤンメイ妻はカニ好きです。いや、めちゃくちゃカニ大好きです。日本の食材の中でも一二を争う好物。確実にカニの天敵と言えるでしょう。
そんな妻はカニを食べるのが早いです。かなりのスピードで綺麗にカニを食べます。ヤンメイは結婚するまでそこまでカニ好きではなかったので、カニ食経験は浅い方なのですが。彼女より早く綺麗にカニを食べる人は、お義母以外に見たことがありません。
お義母さんは北海道のカニ食べ放題店で、あまりにカニを早く綺麗に食べるので店員さんを驚かせた実力の持ち主ですが、それは余談。
つまりヤンメイランキングで妻は日本最速!のカニ喰い人なのです。(なんだそれ)
帰ってから聞いたところ、3人でランチに行ったのだけど、他の2人はヤンメイ妻よりカニを食べるのが早かったのだそうです。
えっ!マジっ!?
いや、妻も驚いたそうです。
なにぃ?この私より早くカニを食す者がいるとは!!しかも2人もっ!?
少年漫画のセリフ風に言うとこんな心境?
この事実に妻は少なからずショックを受けました。しかし、そのママ友達の皿を見て、更にショックを受けました。
えっ?何?この食べ方!?
中国カニ食事情
お断りしておくと、ヤンメイ妻はカニが大好きです。カニラバーです。なので、食べるのは早くても決っして粗末にはしません。大好きで一心に食べるので、結果食べるのが早いのですが、それはそれはキレイに丁寧に食べるのです。小さな足の部分も器用に平らげます。
これは、中国のカニ事情とも関係あるのでしょうが、中国のカニは総じて小さいのです。沢ガニ的なものや上海ガニなど、中国でカニといえば淡水生のカニが多く、日本のズワイガニやタラバガニのような大きなカニはあまり見かけません(杭州では)。なので、自然、中国人は小さなカニを上手に食べる訓練が出来ている、とも言えます。
逆に、上海ガニは日本人にとっては「小さくて食べづらい」とか「殻をしゃぶっているようで食べる所が少ない」などと感じるかもしれません。それくらい日本のカニは食べ易く、食べ応えがあるのです。
カニはどこまで食べますか?
はい、それを踏まえた上でママ友ランチに話が戻りますよ。
しかし、その食べ易いカニを、あろうことかそのママ友達は一番大きな節しか食べずに、残りはゴミとしてガラ入れに捨ててしまっていたのです!
これこそが、ママ友達がヤンメイ妻より早くカニを食べられる理由だったのです。ヤンメイ妻が3節丁寧に食べてるうちに、一番大きい節しか食べないんじゃ、そりゃ早いさ。ヤンメイ妻は肩肉もほぐして食べますが、お友達は当然肩肉なんか捨ててますし。
これには妻、びっくりしたそうです。いや、聞いたヤンメイもびっくりしたよ!ちょっと、その食べ方はないでしょう?
少なくとも、ヤンメイの周囲でそんなカニの食べ方をする人はいませんでした。食べ放題のカニのお店でもそんな雑な食べ方をする人は見たことがありません。
先端の三角の部分はともかく、それ以外の部分は全部食べる派と、一番大きな節しか食べない派、果たしてどちらが一般的なんでしょうね?
へたくそな絵で恐縮ですが、下の絵でいう丸の部分しか食べないって、結構もったいない食べ方だと思います。
食べ放題というのは、たくさん食べてもいいけれど、無駄にして良いという食べ方ではないはずです。お金を払っているからといって、それでいいんでしょうか?
ヤンメイ妻は結構ショックを受けていました。カニを愛するが故に余計に。自分の知人である点でも恥ずかしいとかあったんだろうな。いや、ヤンメイも同じ日本人として恥ずかしい。
それでもヤンメイ妻は抵抗を試みました。いや、さすがにママ友同士、「その食べ方はマナー違反じゃない?」とは言えなかったのですが。
「こことここを切れば簡単に食べられるね」ともう少し先の方の節の食べ方を実演して見せたそうです。
が、反応はなし。スルーというか、ふ〜ん、とほぼ無関心だったようで…。妻の抵抗は無駄に終わってしまいました。自分達の食べ方に疑問も持たないのでしょうね。それ以上は特にどうしようもないので、自らのカニ食に専念したそうです。自分は後悔のないように。
ビュッフェスタイルの出始めの頃、取った分は食べ残さない、みたいな当たり前のことがマナーとして定着してなかったそうです。当初、日本のビュッフェレストラン各地で大量の食べ残しが出たそうです。
やや時が下り、中国にもビュッフェスタイルが導入されてから、中国でも同様に大量の食べ残しが出たそうです。これを揶揄したり、中国人のマナーの悪さの証拠、と鬼の首を取ったように非難する人もいますけど。それはほんのちょっと前の日本の姿ですからね。
それどころか、ヤンメイの身近にもそういう日本人が未だにいるんですから。マナーの向上って簡単ではないです。貧しくなっていく上に、品までなくなってしまうって、日本人大丈夫か?
そんな日本人のカニの食べ方に、中国人も日本人もショックを受けたよ、という国内カルチャーギャップのお話でした。ちなみにヤンメイは食べ残しどころか、最近は魚なんか骨や皮まで食べちゃいますよ。