今回の建築にあたって、ヤンメイ達が買ったのはいわゆる「古家付き土地」。土地だけでなく、前の持ち主の建物が建ったままの土地ですね。
更地にしてしまえばスッキリなのになんでそんな売り方をするのかなぁ、と思っていたら、やっぱりワケがあるんですよ。
今回は、購入してみて分かった、古家付きの土地の良い点、悪い点のお話。家を建てる当事者じゃないとイマイチ興味が湧かないかもな話題ですが、おヒマならしばしお付き合い下さい。
古家付き土地を購入
さて、前回の家のお話は、たまたま希望のエリアでログハウス建築に適した土地をお手頃価格で買えるようになっちゃったから、つい土地を買っちゃったよ、ということでした。完全に勢いです。
まぁ、計画性とか将来予測とか色々ありますけどね。家とか結婚とかって、あまり深く考えず、エイヤッ!と踏み出す勢いって大事かと思います。「考えるな!感じろっ!!」的な?←的な?じゃない!!
ともかく、その買っちゃった土地というのが、実は古家付き土地だったのです。基本的には古いお家が建っていて、壊そうが直そうが好きにして下さい、とにかくそのままで売りますよ、という土地です。
土地を買おうとすると、もちろん更地も売っているのですが、実は「古家付き」という物件も結構あるのです。なんでそんな手抜きをするのか?それにはちゃんとワケがあるんですよ。
売主さんの都合
多分、一番大きいのは、固定資産税の問題だと思います。同じ場所、同じ広さの土地でも、宅地扱いかそうじゃないかで全然税金が違ってくるんです!
つまり、住居として使う(使われていた)土地は住宅用地として扱われ、固定資産税が1/6で済みます。なので、家を壊して更地にしちゃうと、その軽減措置(なんか恩着せがましいな)がなくなって、固定資産税が6倍に跳ね上がってしまいます。
全国に広がる空き家問題も、そんな事情が原因です。だって、壊すのにもお金かかるし、壊してもお金取られるし。なので、土地の持ち主は更地にではなく、家が建っている状態=宅地として持っておきたいのだと思います。
あとは、一見、売値を安く見せられます。当たり前ですが、古家の解体費用を乗せていませんから、更地で売るよりも土地の売り出し価格を安く設定出来ますよね。
すると、ヤンメイのようなかつかつの庶民がパクッと喰いつき易くなるワケで。はい、まんまと乗っかりましたねぇ。
古家付きのメリット
でも、もちろんそれはメリットでもあります。解体費用をコミコミで乗せてしまわれるより、自力で安い業者さんを見つけられれば割安にも出来ます。
手間を惜しまなければ、安く出来る余地があるって、庶民には嬉しいチャンスです。
また、前記の固定資産税の問題は買主にも関わってきます。今度、自分が持ち主になったとき、更地で買ってしまうと、タイミングによっては宅地の6倍の固定資産税を払わないといけません。古家付きはそのリスクを回避できるワケです。
古家付きのデメリット
今度はデメリットです。良いことがあれば悪いこともありますよね。
まぁ、先のメリットの裏返しですが、自分で解体費用を払わないといけません。ざっくり調べたら、坪3〜7万という話でした。なので、古家の広さや種類(木造、鉄骨など)で変わってきそう。もちろん、ちょっと前の残置物処理費用のように、全然業者さんによって違ってくるのでしょう。
ヤンメイ家の場合の解体費用
さて、ではヤンメイ家の解体費用はどうなったのか?ケーススタディーとして詳述しますね。そもそも、土地購入時の概算では150万くらいでした。
ですが、以前にも書いたように、ヤンメイの買った土地というのは擁壁という壁の上に建物があるので、大型の重機が入れられなかったのです。すると、小型の重機でチマチマ解体せねばなりません。しかも、それを壁の下まで降ろすという手間もかかり、ある程度人数が必要な作業となります。
さらに、残っていた古家の中は、まるで昨日まで生活していた人がいたかのように、家電、家具、日用品などなどがそのまま残った状態でした。いわゆる残置物です。
こうしたものは、取り壊す家とは別に、事前に運び出してしまわなければなりません。そう、少し前に書いた残置物処理費用がここでも発生していたんですね。
まぁ、これについては売主さん負担ということで土地購入費用から引いていただけたのですが。結局は解体費+残置物処理費で280万円ほどかかってしまいました。
え〜っ!概算と違い過ぎるんですけど!?
今にして思えば、残置物処理は業者さんをもっと選べば軽く10〜20万は変わったんじゃないかと思いますが、もはや後の祭りです。
結論
そんな訳で。古家付き土地を買う時には注意が必要です。一見、土地の価格は安いですが、利用できるようにするために、また手間と費用がかかります。
さらに、立地とか土地の形状によって、それらの費用が変わってきます。概算というのは、広さとかからざっくり出されてしまう数字のようで、上がることはあっても、それより安く済むことはあまりない感じがします。
買うなら少々高くても、道幅の広い道に面した平らな土地が、結局は総予算の見通しが立て易いんですね。
そんな、古家付きの土地を買ったら、使えるようにするまでにもうひと手間かかりますよ、という、当たり前といえば当たり前のお話でした。